個人再生手続
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民亊再生手続とは、借金が減額される手続です。
民亊再生手続とは、法的整理の手続のひとつで、裁判所に申立てることにより債務を大幅に減額し分
割して支払っていく手続です。 住宅ローン以外に債務が存在している場合に、住宅ローンを支払いながら(住宅を維持しながら)
住宅ローン以外の債務を大幅に減額して支払っていくことができます。
詳しくは「住宅資金特別条項」を御覧ください。
債務の額が収入の額を上回り、分割でも支払ができない場合には自己破産(による免責手続き)申し
立て、債務をゼロにする法的手続きがありますが、その場合住宅等の保有財産は処分して債権者に
分配しなければなりません。
民亊再生手続は、住宅等の財産を保持したまま、減額された債務を分割で返済していくことができま
す。
また、自己破産のように一定の期間の資格制限がありません。
よって、民亊再生手続は、債務額が大きくて分割返済がムリな場合で、住宅や財産を処分したくない
もしくは、一定の期間の資格制限により不利益を被る人にとって有効な手続となります。
民亊再生手続の特徴
メリット
1、任意整理と異なり、元本金額が減額することができます。(債務額によっては減額されない場合も
ある)
2、自己破産と異なり、事故の財産も保持することができます。住宅ローンが残っている人は、住宅ロ
ーンを支払いながら、住宅を保持することができます。
デメリット
1、一定の期間(5−7年間)新規の借り入れや保証人になることができなくなります。
2、裁判所の手続のなかで、債権者の同意が得られない場合や何らかの事由により認可されない場
合があり、その場合は再生手続ができません。
3、保証人のある債務については、保証人に対して一括請求がなされます。
民亊再生手続の種類
民亊再生手続のうち個人を対象にする手続を「個人民亊再生」といいます。個人民亊再生には「小規模
個人再生」と「給与職者再生」があります。
「小規模個人再生」は、主に自営業を営んでいる人を対称にしたもので、「給与所得者再生」は給与に
よる収入を受けている人を対称にしたものです。
個人事業者は「小規模個人再生」しか選択できませんが、給与による収入を受けている人はどちらでも
選択できます。
「小規模個人再生」は「再生計画案」を認めてもらうために債権者の同意(債権者総数のうち、反対が
半数に満たず、かつ債務総額の1/2を超えないこと)が必要ですが、「給与所得者再生」は同意が不要
です。
個人再生手続申立要件(申立に必要な条件)
1、将来支払ができない状態になる可能性のあること
2、将来において継続的にまたは反復して収入が見込めること
3、借入額の総額が5000万円を超えないこと
各手続の具体的要件
申立には下記の表に記載の各種要件が必要です。 ※ ○必要となる
申立要件 |
小規模個人再生
| 給与所得者再生 |
(1)申立をする人が個人であること |
○
|
○ |
(2)将来において反復継続した収入を得る見込みがあること |
○ |
○ |
(3)住宅ローン以外の債務総額が5000万円以下であること |
○ |
○ |
(4)給与などの定期的な収入を得る見込みがあること |
|
○ |
(5)給与等の定期的な収入の変動の幅が少ないと見込まれること |
|
○ |
借金総額 |
弁済額 |
100万円未満 |
借金総額 |
100万円以上500万円未満 |
100万円 |
500万円以上1500万円未満 |
総額の1/5 |
1500万円以上3000万円以下 |
300万円 |
3000万円超えて5000万円未満 |
総額の1/10 |
個人民亊再生手続の流れ
申立をしてから認可決定が確定されるまで概ね6〜7ヶ月程かかります。
再生手続についての相談後、契約手続を行い(受任)各債権者に受任通知(兼履歴開示書)を発送
します。(即日か翌日)
↓
債権者に対して取引履歴を開示させて、取引履歴の正確性を調査するとともに、利息制限法に基
づく引直計算をして債務額を確定します。過払い金が発生していれば過払い請求をします。(1-3ヶ月間)
↓
裁判所に提出する書類を作成するために、必要な調査・資料収集をします。(3週間ー1ヶ月間)
↓
依頼人の方の住所を管轄する地方裁判所に民亊再生手続の申立をします。
↓
裁判所により個人再生委員が選任され、個人再生委員の所に赴いて面接が行なわれます。
(申立受付から1〜2週間後)
↓
裁判所により個人再生委員の意見を聴取して「再生手続開始決定」がされます。
債権者からの強制執行はできなくなります。
(申立から1ヵ月後)
↓
債権者は、裁判所に主張する債権額を届出ます。それに対して「債権額認否一覧」を提出します。
「財産目録」提出
↓
裁判所に「再生計画案」を提出します。 (申立から3ヵ月後)
↓
小規模個人再生では、債権者による書面決議が行なわれます。給与所得者再生では債権者に対
する意見聴取が行なわれます。
↓
裁判所は、「再生計画案」の弁済計画案のとおり、返済の見込みがあると判断した場合は、「再生
計画認可決定」が出されます。(申立から4ヵ月後)
↓
認可決定後、即時抗告期間内に即時抗告がなされなければ確定する。(認可決定後1週間経過)
破産手続きとの違い
1、自己破産の免責が認可されれば借金の全額は免除されるが、再生手続は上記弁済基準表の
とおり借金の一部が免除されるという点
2、自己の財産を処分しなくて良い
3、一定の期間の資格請願がない
4、自己破産の「免責不許可事由」がない。(※民亊再生手続においての認可がされない事由
としての不認可事由はある)
個人再生における不認可事由
下記の事実がある場合は裁判所は不認可決定をします。
(民亊再生手続ができないということが決定されたということ)
1、再生手続、再生計画が法律の規定に違反し、不備の補正ができない場合
2、再生計画が遂行される見込みがない場合
3、再生計画の決議が不正の方法により成立した場合
4、再生計画の決議が債権者の一般の利益に反する場合(例:弁済予定総額が、破産した場合の
配当額よりも低い場合)
5、住宅資金特別条項を定めた場合に、再生申立者が住宅の所有権や土地を使用する権利を失う
と見込まれる場合
6、再生申立者が将来において継続的にまたは反復して収入の見込みがない場合(失業や病気
により収入がなくなった場合)
7、借り入れの総額が5000万円を超える場合
8、最低弁済基準額を満たしてない場合
9、再生申立者が債権者一覧表に住宅資金特別条項の再生計画案を提出する意思の記載をした
場合に、再生計画に住宅資金特別条項の定めがない場合
住宅資金特別条項
住宅資金特別条項とは、住宅を確保したまま(住宅ローンを支払いながら)住宅ローン以外の借金を
削減して返済する再生手続のことです。
住宅資金特別条項を定めることができる場合
1、個人民亊再生を申し立てる者が所有する建物であること(自分が住宅ローンを払っていても他人
の建物では再生手続ができません。自分の所有でも他人がローンを払っている場合もその人から
再生の申立はできません)
2、再生申立者が事故の居住のために所有する建物であること(投資用マンションは不可、複数の
建物を所有して居住している場合は、そのなかの主に生活している建物のみが該当します)
3、住宅ローンであること(住宅の建設や購入、改良のための資金の借り入れであること)
4、住宅ローンが分割支払の契約であること
5、住宅ローン(住宅ローン債権者の保証会社含む)以外の抵当権が設定されていないこと(住宅ロ
ーン以外のたとえば事業資金担保で抵当権が設定されている場合は不可)
6、住宅ローンの債権者に対して保証会社が代位弁済をしてから6ヶ月以内に民亊再生の申立を
行なうこと |